2013年1月30日、記念すべき車籠埔断層保存園区が台中にオープンいたしました。ここでは、実際の断層が見られるほか、様々な地球科学を体験しながら学べるコーナーがたくさんあります。
しかも、4月まではなんと、入場無料!!!
これは、ぜひ早めに行かれることをお勧めします。場所は、こちらです。
開会式典は盛大に執り行われました!さすが台湾といった文化的な式典で、日本とは違った趣向に驚くばかり。晴天に恵まれたとても良い一日でした。
(国立自然科学博物館の孫維新館長のご挨拶)
館長のご挨拶によれば、地元の方をはじめ、多くの方がこの博物館の建設にご尽力されたそうで、皆様の努力によってめでたく開館できたと喜んでいらっしゃいました。また、921博物館などとの連携によって、多くの方にご覧いただき、自然科学と活断層について知っていただきたいとのことでした。
(お祝いの龍が出てきました!)
(館長にお祝いを申し上げ、記念一枚撮ってもらいました)
さて、今回の台湾への目的は、この博物館の断層斜面の風化を防ぐために、弊社のTOTを使うのですが、塗布技術など技術指導や課題の解決を行うために訪れました。台湾独自の気候や施設環境、土の特性などから、崩れやすい箇所も多いため、TOTでどのように処理するのか、綿密に意見交換をしました。今後はこの斜面を保存していきます。
(左側の礫地盤が最大2m近く隆起しました)
(実験的に塗布しながら経過観察を実施中)
台湾におけるTOTの処理は今回が2例目です。同じ地震によって大破した小学校やグラウンドなどを保存している「921地震教育園区」があり、その斜面の一部を室内展示としています。TOTはここでも活用されています。
(921地震教育園区の室内断層斜面の状態を確認)
今回は、こちらも訪問して、状態を確認、メンテナンスの方法など、技術者の方々と熱心に意見
交換ができ、今後の対応についても話題が尽きませんでした。
(車籠埔断層保存園区スタッフのみなさんは陽気で笑顔がいっぱい!)
翌日には、地元新聞紙、「聯合報」でも大きく取り上げられていました。
(2013.1.31 聯合報 記事より引用)
多くの被害がもたらされた921大地震ですが、国立自然科学博物館は被害や活断層などを風化させることなく、博物館としていくつかを建設し、後世に伝えていくことがとても重要であると考えていらっしゃいます。活断層に関してこれほどのスケールがる博物館はアジアはともかく、世界の中でもトップクラスの一つだと思います。ぜひ多くの方に訪れていただき、自然の力強さと、防災について感じてもらえたらと思います。
スタッフの中には日本語堪能な方もいらっしゃいますので、安心して見学できます。
台中にご良好の際には、国立自然科学博物館、921地震教育園区、そして車籠埔断層保存園区へ行ってみてください。
そして、斜面を見ながら、風化防止に日本の技術も支援していると思いだしていただけたら幸いです。
今回の台湾訪問に関して、開館直前のお忙しい中、多くの方に親切に対応していただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
謝謝!