地学の特別授業で鯖江断層を踏査

昨年に続いて、福井県立鯖江高校で地学の特別授業を実施しました。

今回は、「鯖江断層を踏査」です。

実は鯖江高校は鯖江断層の上にあります。生徒は起伏のある丘を毎日登校していたり、急斜面の下にあるグラウンドへ昇り降りするなど結構大変な地形なんです。

鯖江市鳥羽あたりから長泉寺山を通過して越前市との境界付近まで続く鯖江断層は、江戸末期の頃から鯖江の交通や文化の発展ととても関係が深いとされています。

そこで今回の授業では、河岸段丘と活断層の地形と旧道界隈の発展を理解するために、湧水ポイントを発見したり屋敷や言い伝えを探したりしました。

学校の近くにある舟津神社では、古来湧水があったとされています。断層崖が背景にそびえてとても雰囲気の良い神社です。

 

断層を直行するように横断する場所は急な坂道が多くて、移動は結構大変。知らない道を発見しながら進むのは結構楽しいですね。

 

断層沿いに数ヶ所湧水地点があり、pH、電気伝導度そして水温を測りながら進みました。段丘からの湧水と断層面を伝う湧水では差があるかもしれないという仮説の元、3ヶ所で計測しました。

  ①旭公園近く|pH=6.54、EC=8.19mS/m、19.8℃
  ②長泉寺公園北へ60m|pH=6.30、EC=15.30mS/m、18.6℃
  ③中堂院御手洗池|pH=6.73、EC=21.4mS/m、18.2℃

それぞれの地点であまり大きな変化はありませんでした。原因として、前日までの大雨が影響したのではないかと思っています。

今後も、時期をずらすなど何度か計測することで何か変化をとらえることができるかもしれません。

 

(中道院の御手洗池)

 

今回の授業は踏査ということもあって暑い中、長い距離を歩いて疲れたことでしょう。しかし、旧道沿いの古い屋敷を観察して昔の鯖江藩の発展や今の商店街に続いている歴史を少しでも感じ取れたのではないかと思います。

地学は人類の文化や歴史だけでなく、あらゆる生き物にとってとても関係深いものです。自然災害にも関係が深く地学を学ぶことで防災技術も会得できるため、今後もぜひ楽しい地学の学び方を生徒の皆さんにお伝えできればと思います。

 

 

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