pulseEKKOウルトラレシーバーが新登場
新しいレシーバーは何が違うのか、説明しましょう。
1. スタック数が以前の65,536倍。収集速度の低下はほとんどなし。
2. ノイズが以前の100分の1。
3. 探査可能深度が以前の倍。
4. 32ビットの高ダイナミックレンジでのデータ収集で、微小でリアルなGPRシグナルを表示可能。(以前は16ビット)
スタック数32と32,000の比較
スタック32の時は探査深度は25mまででしたが、32,000のスタック数になると50mまで探査が可能になります。
図1 スタック数が32から32,000に増えたことにより、GPRシグナルの透過深度が25mから50mまで増えた。二つのGPR測線は同じ探査フィールド(カナダ ロックウッドの古い石灰石採石場)
ウルトラレシーバーの高感度化はトランスミッターの電力と探査深度を制限しているアメリカ、カナダおよびヨーロッパの排出規制をクリアしています。
ウルトラレシーバーはEKKO100とEKKOPROの低周波アンテナに使用が可能
GPRの透過深度は下に青色で示すGPRシグナルの振幅が、黄色で示されたバックグランドノイズと同レベルまで減衰する深さまで見えます。
図2 GPRシグナルは存在していますが、ノイズフロアと呼ばれるより強くランダムな無線ノイズによって隠されます。GPRデータトレース数を増やすことでノイズフロアを下げ、弱いGPRシグナルが見られるようになります。
GPRシグナルはピーク振幅とバックグランドノイズレベルとの間に記録されます。ウルトラレシーバーを使用すると、バックグランドノイズを2桁以上低減し、GPRシグナルが従来の100倍以上小さくなることがわかります。
ウルトラレシーバーはスタッキングでこれを行います。スタッキングはGPRトレースを一回ごとに収集・保存するものではなく、複数回収集しその複数のトレースを平均して平均トレースのみを保存します。
図3 同じトレースを複数回収集し、平均トレースを保存してGPRトレースを積み重ねることでランダムノイズを低減し、シグナル対ノイズ比(SNR)を向上させます。
ランダムノイズを減少させるという考え方は、上図のGPRトレースの赤い部分に示しています。トレーススタック数が増えるほど、保存されたトレースの赤いノイズの振幅が小さくなることに注目してください。
定義的には、スタッキングはランダムノイズを1/Vnに減らします(ここでnはスタック数)。
図4 ランダムノイズは1/Vnに減少します。この表はスタックの増加に伴ってノイズの振幅がどのように減少するかを示しています。100回積み重ねるとノイズは10分の1に減少。10,000回積み重ねると100分の1に減少します。
ここではスタッキングによって低減するノイズの例を示します。下のデータは同じGPRラインに沿って、pulseKKEOウルトラレシーバーを使用してスタック数を変えて収集したものです。スタック数が増えるとランダムノイズの振幅がどのように減少するかを見ることができます。
図5 図1のフィールドで収集されたデータ。スタック数が増えるにつれてノイズフロアは低下します(左)。GPR透過深度はGPRシグナルがノイズフロアと交差する時間のことです。積み重ねの数が増えると、透過深度は425nsから900nsに増加します(右)。
この技術の進歩は地中レーダで達成できるものを根本的に変えるでしょう。Sensors & SoftwareはGPRにおける進歩の最前線にいることを自負しています。