1996年、福井市教育委員会により、北庄城跡として知られる柴田神社(福井県福井市中央1丁目)
で、福井城以前のお堀と石垣であると考えられる、堀状の落ち込みと石列の遺構が発掘されました。石列遺構は南北方向に並んだ30〜50cm大の笏谷石6個から成っています。 福井市教育委員会では、この石列遺構を野外展示の形で一般公開することにしました。しかし、火山灰 が堆積してできた凝灰岩の一種である笏谷石は、加工しやすい反面、風化に対して弱く、野外で風雨に 当たると表面がぼろぼろに劣化してしまいます。 そこで「土と石の強化保存剤TOT」により強化処理をして、保存・公開することになりました。 TOT処理作業は、1998年3月18日、ハケによる表面塗布で行いました。塗布は6〜7回繰り返し、6個の笏谷石に、計約8kgのTOTを施用しました。処理後は1週間程度は雨に当たらないようにします。施工後は石表面の亀裂、剥がれ落ちそうな箇所、キズなどの部分に変化がないかどうか経時的に観察します。 |
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写真1:石列遺構 | 写真2:TOT処理作業 |