福井県吉田郡松岡町には、総数106基余の松岡古墳群をはじめ、北陸屈指の規模をもつ手繰ヶ城山古墳(全長約128m)、泰遠寺山古墳(全長約64m)など数基の大型前方後円墳があります。
三峰山城跡は当初古墳と考えられていましたが、1996年の松岡町教育委員会による調査では古墳時代の遺物が出土しませんでした。そこで、1997年に再調査を行ったところ、14世紀の山城であることが明らかとなりました。
三峰山城跡は全長57mにわたり、周囲には高さ7mの切岸と呼ばれる斜面を削って急傾斜を付けた壁が巡らされています。城の外には上部4〜5m幅、底1〜2m幅の逆台形の深さ7mの堀切が掘られており見事な造形を示しています。現状では、発掘された土の表面は雨によって削られた部分や、上部から落ちてきた土が溜まっている部分が目立ちました。
三峰山城は、南北朝期の築城当時の姿をはっきりとどめており、中世史を解明する手がかりを与える貴重な遺跡です。
TOT処理作業は、1998年5月20日、ハケによる表面塗布で行いました。塗布は6〜7回繰り返し、1.25uに、約2kgのTOTを施用しました。現在はハイキングコースに沿って見学できます。
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