エル・サルバドルには世界遺産の一つであるマヤ文明の村落遺跡ホヤ・デ・セレンを始め、数多くの 土造りの遺跡が存在する。その中の一つ、チャルチュアパ遺跡、カサ・ブランカ地区のマヤ時代のもの とされるマウンドでは、メソアメリカ学研究所チャルチュアパ調査団(団長:京都外国語大学大井邦明 教授)による発掘調査が行われている。(写真1) エル・サルバドルは、高温多雨という厳しい気象条件下におかれる地域である。現在は雨季に当たり 激しいスコールが毎日のように降り、これら出土した土造りの遺跡の風化が心配されている。 当社は、エル・サルバドル政府の要請と国際交流基金の依頼により、先の8月2日〜13日、チャル チュアパ調査団の一員として、国立福井工業高等専門学校と共同で研究開発した、土の石の強化保存剤 TOTによる保存処理を行った。(写真2) TOT散布後、乾燥した箇所は既に効果が現れており、雨に当たって土が崩れるようなことはなくなっ た。現在は、TOTによる保存処理の経過を観察中である。 |
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写真1:メソアメリカ学研究所によるマウンドの発掘 | 写真2:神殿床面に対するTOT散布処理 |