レーダ探査が湖をわたり湖底を探る

地下レーダ探査は通常は地上で行います。電磁波は水分によって減衰する特徴があります。しかし、なぜ水面から探査ができるのでしょうか。しかも、通常の探査より深くまで可視できています。

水上レーダ探査の不思議

電磁波が減衰するのは水分がによります。しかしながら、水面からレーダーをしても減衰するところか、可視深度が増えます。これについて当社なりの考察を行いました。
まず、「水」の違いについて。土中に含まれる水は、単位体積当たりに約1/3存在します。地下水以下で飽和度が限りなく100%に近ければ、約2/3になります。残りは土粒子です。湖などではほとんどが水です。レーダー波を照射した媒体が水のほうが明らかに均一で、地中の場合土粒子の大きさ・重量・形状・鉱物などなど、様々な違いがありとても複雑です。このため、両者ともに水分があっても均質さでは「水中」が優位です。また、伝播速度は、水中ではv=約0.3ns/mであるのに対して、一般的な土ではv=約0.1ns/mとなり、水分による速度低下があり、図化することで深くまで可視できていることがわかります。このように、水中を探査することがGPRでは可能であり、主に湖底堆積物や遺物、さらにはその直下の基盤岩の探査に有用です。

解析図 湖底形状が明確であり、固定面には遺物が散在している。また水中にある弱反射は水中倒木を表現している。

 

探査するべきポイント

探査するとき、多くの方は船で行います。弊社でもかつてはゴム船で行っていました。とても迅速で安全でよい方法です。しかし、アンテナと船が密着しないことや、航行中にアンテナがガタつくことでデータの質が低下することが懸念でした。この課題に対して、当社ではSUP(Stand Up Paddle)を用いて探査することで、アンテナ密着の課題を解消できました。さらに、船外機を取り付けたことで、安定した航行で連続データをサンプリングできるようになりました。写真で見ると安全面に関して不安があるように見えますが、実は、安定性が抜群によく、インフレータブルのために持ち運びが簡単です。また、弊社では川の安全指導に関しては、RACインストラクター以上の資格者やSRT-1資格者など水難救助や川のリスクマネジメントのプロが存在しているため、危険においても安心した探査が可能なのです。